空腹は武器だ:インスリン×時間設計で「太らないカラダ」をつくる

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結論:太らないかどうかは、根性よりもリズム設計で決まる。カロリーの足し算引き算だけではなく、インスリン(血糖を下げるホルモン)の滞在時間を短く保つことが要点だ。本記事では、最新の代謝視点をベースに、日常で実装しやすい「食べない時間の設計×食べ方×運動×睡眠・ストレス」の4点セットを、実践テンプレ込みで解説する(個人の体験談は伏せ、一般的な知見としてまとめる)。


目次

  1. なぜ太るのか:カロリーより「ホルモン設計」
  2. 「いつ食べるか」をデザインする:断食ウィンドウ
  3. 何を食べるか:満腹は「量」よりも「信号」
  4. 運動は「消費」よりも代謝スイッチ
  5. 睡眠とストレス:土台を整える
  6. よくある勘違いQ&A
  7. 7日間スタータープラン(テンプレ)
  8. 食べ方の実例(忙しい人向け)
  9. 進捗の見える化リスト
  10. 失敗しそうな場面の処方箋
  11. 科学×自分の体の折衷案
  12. まとめ

なぜ太るのか:カロリーより「ホルモン設計」

体脂肪は「倉庫」に出入りするエネルギーの形で管理され、そのゲートを実質的に握るのがインスリンだ。インスリンが高い時間が長いほど、脂肪は出づらく入っていきやすい。現代生活で問題になるのは、

  • 間食やダラダラ食いで上げ下げ回数が増える
  • 砂糖+精製粉+油の超加工コンボ上がりっぱなしになりやすい

もう一つの副作用は集中力の霧。インスリンが高止まりする時間が長いと、眠気・だるさ・脳のキレの低下が起きやすい。つまり「太らないカラダ」を作ることは、仕事の生産性投資でもある。

「いつ食べるか」をデザインする:断食ウィンドウ

おすすめは12〜16時間の「食べない時間」を週の大半で確保すること。以下の段階で無理なく実装できる。

3ステップで慣らす

  1. 20時以降はカロリーゼロ(水・無糖茶のみ)
  2. 朝は水/無糖コーヒー/お茶に置換し、夜から12〜14時間空ける
  3. 体調が良ければ16時間へ。週2〜4回でも十分(毎日でなくてOK)

ポイントは朝食否定ではないこと。朝を食べたい人は夕食を前倒しすれば同じ効果が得られる。生活優先でよい。

何を食べるか:満腹は「量」よりも「信号」

満腹は胃の膨張だけでなく、たんぱく質・食物繊維・脂質が発するホルモンの信号でも決まる。基本セットは次のとおり。

  • 主役:体重×1.0〜1.5g/日のたんぱく質(卵・魚・鶏むね・大豆)
  • 土台:野菜・海藻・きのこで食物繊維ファースト
  • 安定:良質な脂質(青魚、ナッツ、オリーブ油)を適量
  • 控える:砂糖+白い粉+揚げ物の超加工コンボ頻度を下げる
  • OKおやつ:素焼きナッツ一握り/無糖ヨーグルト/チーズ少量/カカオ高めのチョコ少し

合言葉は「制限」よりも「置換」。菓子パン→ヨーグルト&ベリー、ポテチ→ナッツ、甘いカフェドリンク→無糖ラテ…と、環境設計で勝つ。

運動は「消費」よりも代謝スイッチ

脂肪は運動中より運動後によく燃える。特にHIIT多関節の筋トレインスリン感受性を高めるスイッチだ。

  • 週2〜3回:自重の全身サーキット(15〜25分)
  • 余力があれば:10〜20秒のダッシュを4〜8本
  • 毎日:席立ち・階段・歩く電話などNEATを増やす

空腹時の軽いトレーニングは脂肪動員の体感が出やすいが、めまい等の不調時は回避。

睡眠とストレス:土台を整える

  • 6.5〜7.5時間を最低ラインに。就寝2〜3時間前に食事を終える
  • 夜のブルーライトとアルコールのWパンチを避ける
  • ストレスは「甘い物セルフ薬」を誘発。呼吸法・短瞑想・散歩で割り込む

よくある勘違いQ&A

Q. 16時間空けられない日は失敗?

A. いいえ。総合点で見る。夜を前倒し・間食ゼロだけでも進歩。

Q. 断食中の飲み物は?

A. 基本は水・無糖茶・無糖コーヒー。人工甘味料は食欲を刺激する人がいるため、頻度を下げて自分で実験

Q. 朝トレと断食は両立できる?

A. 強度が高い日は前後にプロテイン/BCAAを挟む、もしくは朝を食べて夜を早めるなど柔軟運用を。

7日間スタータープラン(テンプレ)

目的:インスリンの山を減らし、空腹を「敵」から「味方」へ。

  • 測るもの:体重・腹囲・睡眠時間・食べない時間(h)・元気度(10点)

Day1(リセット)

  • 20時以降は水のみ。朝は無糖コーヒー。昼はたんぱく質+野菜、夜は腹八分
  • NEAT:早歩き合計30分

Day2(置換)

  • 菓子パン→ヨーグルト&ベリー、甘いドリンク→無糖ラテ
  • 就寝2時間前はカロリーゼロ

Day3(筋トレ)

  • スクワット・腕立て・ヒップヒンジ・プランクの自重サーキット15分
  • 白い粉(精製粉)は控えめ・たんぱく質優先

Day4(14時間)

  • 前夜から14時間空ける。食物繊維ファーストで昼食
  • 夜は揚げ物を控え睡眠優先

Day5(HIITライト)

  • 10〜15秒の軽いダッシュ×6本(体調に合わせて)
  • 間食は素焼きナッツ一握り

Day6(16時間)

  • 無理がなければ16時間。水・無糖茶・コーヒーOK
  • 夕食は魚+野菜を軸に

Day7(レビュー)

  • 体重・腹囲・元気度を記録、翌週の続ける2つ・やめる1つを決める

食べ方の実例(忙しい人向け)

  • :鶏むねorツナ+大盛サラダ+ゆで卵、オリーブ油少量
  • 補食:無糖ヨーグルト/チーズ少量/ナッツ
  • :魚(サバ・鮭)+味噌汁+野菜2皿、主食は少なめ or オートミール置換
  • 外食:丼→定食(ご飯半量)、パスタ→肉/魚+サラダ、フライ→グリル

完璧主義は続かない。70点を習慣化した人が勝つ。

進捗の見える化リスト

  • 週合計の食べない時間(h)
  • 間食ゼロの日数
  • 睡眠時間寝る前2h無食の達成率
  • 筋トレ回数歩数/NEAT
  • 主観的エネルギー(1〜10点)

端末メモで十分。SNS共有は不要=身バレなしで継続できる。

失敗しそうな場面の処方箋

  • 夜更かし:夕食前倒し/寝る前はハーブティー
  • 会食続き:翌日を14時間ウィンドウでリセット
  • 甘い物欲:まず食物繊維+たんぱく質。それでも欲しければ高カカオを少量
  • 停滞:NEATを+3000歩、筋トレを+1セット、睡眠+30分

科学×自分の体の折衷案

研究が示す平均解は心強いが、体感は人それぞれ。断食は週2〜4回でも十分、朝型は夕食前倒し、夜型は朝軽めなど生活に合わせてよい。筋トレはフォーム最優先でケガ回避。睡眠は入眠儀式(湯船・照明を落とす・スマホを離す)で底上げする。

まとめ

  1. 太る痩せるはインスリンの滞在時間で見る。
  2. 12〜16時間の「食べない時間」を週の大半で確保。
  3. 食事はたんぱく質・食物繊維・良質脂質で満腹信号を先に立てる。
  4. 運動は代謝スイッチとして活用、NEATを積み増す。
  5. 睡眠・ストレスが土台。ここが崩れるとすべてが崩れる。
  6. 完璧より70点の継続。指標を少数決めて淡々と記録。

注意(一般的な情報):体調や既往歴、服薬により適否は異なります。めまい・強い倦怠感などが出る場合は中断し、必要に応じて医療専門家へご相談ください。

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